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消化器外科育成プログラム
Home>胃グループ>早期胃がんについて>腹腔鏡下縮小手術

腹腔鏡補助下縮小手術 D1/D1+

 ESDの登場で、術前の検査で全く転移がないと推測される早期胃癌は全て胃カメラで切除できるようになりました。 したがって、ESDの対象からはずれる早期胃癌にはリンパ節転移の可能性があるため、リンパ節郭清を伴った胃切除が必要です。 しかし、その中でもリンパ節転移を来たしている症例は決して多くなく、全ての症例にD2胃切除が必要とは思えません。
 ただ、早期胃癌のリンパ節転移のほとんどは、組織学的転移と呼ばれる、顕微鏡で診断しないと判らない転移です。 したがって、手術前のX-CTやFDG-PETなどの画像診断でリンパ節転移が判明することはまずなく、 また手術中に、リンパ節が腫れていたり硬結していたりして転移が診断できることも、ほとんどありません。 郭清したリンパ節を後日顕微鏡でみて、はじめて判明する。早期胃癌のリンパ節転移とはそういうものでした。 したがって、リンパ節転移の有無の正確な診断ができない以上、疑わしきは罰するというのが、早期胃癌の外科治療でした。 かつてD2胃切除が広く行われていたのもこのような背景からです。 しかし詳細に検討すると、2群までのリンパ節の中には、とても転移を来たし易いリンパ節と、 めったに転移しないリンパ節とがあることがわかってきました。めったに転移しないリンパ節なら、 郭清しなくても治療成績に影響しないことも判ってきました。
 縮小手術とは、胃癌手術の根治性を保ったままで、胃の切除範囲やリンパ節の郭清範囲を定型手術より手控える手術のことを指します。 胃癌治療ガイドラインには、D2胃切除を定型手術と定義した上で、早期胃癌の胃切除術として、縮小手術D1とD1+が規定されています。 これらは、転移を来たしている可能性の低い一部の2群リンパ節の郭清を省略する、という手術です。 しかしD1、D1+も、疑わしきは罰するという従来の外科手術の発想の延長にあり、一部のリンパ節の郭清は省略されるものの、 胃を栄養する血管は胃の周囲のリンパ節と共に切除されてしまうため、切除胃の切除範囲はD2胃切除とは殆んど変わらないという問題点が残ります。 教室では、早期胃癌のリンパ節転移を術中に正確に診断する技術を開発すべく、転移しやすいリンパ節を選び出す研究を続けてきました。 胃癌のリンパ節転移は、癌細胞がリンパ管の中に入り込み、その中を流れ、リンパ管の中継ステーションであるリンパ節に取り付き、 そこで増殖して転移を形成すると考えられています。 それなら、癌から流れ出るリンパ管を染色し、 その先に染まってくる最初のリンパ節こそが転移しやすいリンパ節のはずです。こうしたアイディアの元、 わたしどもは、リンパ嗜好性の高いパテントブルーという生体染色色素で早期胃癌のリンパ系を染め出し、 転移の可能性が高いリンパ節を絞り込むという研究に、1993年に着手しました。 この、癌巣から直接にリンパ流を受けるリンパ節のことを、センチネルリンパ節と呼びます。 またセンチネルリンパ節を突き止め、これを取り出し、手術の最中に顕微鏡診断して転移を判定する検査法を、 センチネルリンパ節生検といいます。センチネルリンパ節生検を行えば、正確かつ効率よく転移の有無を診断できるようになります。 早期胃癌のセンチネルリンパ節生検は、当教室の研究が世界初でした。以来、国内の胃癌専門施設はもとより、 世界中で胃癌センチネルリンパ節生検の追試が行われています。教室でもこれまで320例を超える胃癌症例にセンチネルリンパ節生検を行いました。 これは単独施設としては世界第2位の症例数です。 その転移診断能は、転移検出感度85%・正診率98%、肉眼的転移陰性例に限定すれば、 転移検出感度96%・正診率99%で、世界中の他の報告とも遜色ない良好な成績でした。
 教室では現在、早期胃癌にセンチネルリンパ節生検を行い、リンパ節転移陰性と診断できた症例には、 リンパ流域を郭清した上で、縮小手術D1とD1+よりも大きく胃を温存する縮小手術を適用しています。 具体的には、局所切除・分節切除・小範囲幽門側切除・噴門側切除などの術式です。 この治療方針は、先のガイドラインに述べられた局所切除・分節切除の適応に準拠し、さらに慎重で安全な手術です。 これら術式は、機能温存縮小手術と呼ばれています。これまで200例あまりの機能温存縮小手術を行ってきました。 これら胃を大きく温存する手術は、従来の幽門側胃切除術に比べ、食事量も明らかに多く、体重の回復にも大変優れ、 後遺症の発生もきわめて低率であることが証明されています。もちろん、これら機能温存縮小手術症例に胃癌の再発は1例もありません。 今では、教室の早期胃癌の7割以上が機能温存縮小手術症例です。